砂漠
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2005/12/10
- メディア: 単行本
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人生は砂漠でどこにあるかわからないオアシスを目指しているといった意味の言葉がとても共感できる。確かにそのとおりで、大学とか大学院卒業まではきちんと標識を与えられるんだけど*1社会人になると途端になくなる。標識がないことが悪いのではなくて、標識が細かすぎる事がダメなんじゃないかと・・。確かに思慮の欠けた小僧にいきなりどこでもいって好きなことしろよといえばロクでもない大人が大量生産されるのは必定だけど、徐々に自分で何かを見つけ出すとかそういうことにしないと人材というかまともな人間は育たないと思う。いきなりじゃなくて徐々にってのが大事だと個人的には思っているわけだけど。
心が砂漠となってしまい潤いを無くした友人の心を元に戻そうとする姿は感動。いろいろ勉強をするけど人の心に雪=潤い*2をもたらすのはセオリーなくて、どれだけ相手をわかってあげるか、自分に何が出来るのかを考えてそれを実践するしかない。勉強しても駄目な事はあるけど、それは勉強しないと実感としては絶対分からない。そう思う。
今出来る事を一生懸命にしない奴は結局何もできない。多分俺も含めて今の日本人の若い奴等はそういう人が多いと思う。結局ずっと後になって、適した時期だったとかそういうことはわかるかもしれんけど自分の人生なんて一度なんだから思ったときにやらないと後悔するんだよな。
なんか為になる言葉がいっぱい散りばめられてるのに少しも説教くささがない。登場人物もみんな魅力的だし。この作者は本当に才能があるなと思う。何より読後感が凄く爽やか。→これ大事。
次は重力ピエロあたりを読んでみようかな。