秘密
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2001/05/10
- メディア: 文庫
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事故にあって、娘と母の意識が入れ替わる話。
以下ネタバレ
平介が直子に対して藻奈美と呼んだことで、直子は自分を捨て
藻奈美であろうとし、平介を騙し始める。
これは愛といえば愛だろうが、はっきりずるいと俺は思う。
最後に、指輪のことで、平介が嘘に気付き、それを暗黙の
うちに秘密とすることで、うまく終わってるけど、俺はおいおい
って思う。なぜなら娘の意識がもどったと錯角させて、自分に
都合のよい状態、つまり父と娘にして、それでも自分は
平介のことを忘れないよという意味をこめて指輪を加工してるん
だろうけどそれって、新たな夫に対してすごい失礼だ。
何より死んだ子供を利用すんなよと・・。
娘の意識はもどっていない。そうした上で、藻奈美として
生きるというなら俺はいいと思うし、ずっと平介が好きなら
平介のそばにいるか、それを平介が望まないならずっと1人で
生きろと思う。
もちろん、きちんと話をして平介を捨てる選択肢だってある
わけで。
平介は迷いながらも、娘の体を抱かなかった事で一線はふみ
とどまったあたり、えらいと思う。
逆に直子は平介がやめなかったら娘の体を父に抱かせようと
していたってことになり、こいつの「娘の意識がもどった時に
最良の状態に・・」なんて戯言は真実味がない。
この物語において、イマイチ直子が好きになれない理由が
そこにある。
まあ、もちろん物語において、平介が直子のことを愛しつづけて
いるんだからそれはそれでよいとは思うんだが。
話としては、面白いと思う。ただ、テーマがイマイチ受け入れられ
ないだけ。