パラレルワールドラブストーリー

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

東野圭吾
この作者は脳に関する話が好きだな。俺も好きだけど。
脳に関してでいえば、変身、宿命、秘密にくれべれば、
一番マシな感じがするが、昔読んだブレインバレーの
ほうがよかったような気がする。
ブレインバレーを久しぶりに読もうかな。

以下、ネタバレ
多分弱い人間を描きたかったんだろうけど。ここまで
弱いと情けない。

とりあえずラブストーリーではないのでタイトルは
いただけない。
あと智彦と崇史の記憶のどちらが正しいのかは
すぐにわかる。もうちょっとわかりづらいほうが
よかったのでは。

麻由子:こいつがはっきりしないせいで、一番悪い結末を
  導いた。言ってる事は正しいが行動が中途半端。
  どちらかを選ぶなら選ぶ。両方振るなら振るという
  行動をとるべきだった。美人なのかどうかの描写は
  とくになかったように思う。まあ、美人なのだろう。

智彦:頭はいいが、体のハンデから逃れられなかった。
   俺の高校の先生も体にハンデがあったが、結婚
   していた。ちょっと極端なのでは・・。
   ハンデというより、それに起因する性格に問題
   があるように思われる。
   但し、この小説の主要キャラの中では一番マシ。
   最後の手紙は泣かせる。

崇史:同じく頭がいい、ただ、致命的に理性が少ない。
   女のために全てを失う典型。
   こいつの行動は共感できるが、最後の最後で
   女の誘惑にまけて記憶を消そうとするところが
   終わってる。罪を背負って生きていけよ。

ところで、この話、一度読んだ限りでは、一番女が
ずるがしこく、最後まで記憶改編しないまま、つまり
リスクを負わないでずっと生きてそうな気がするけど
どうだろう。女は怖い。

秘密よりは面白く、宿命よりはつまらん。